NYLON100℃ SIDESESSION#5
「吉田神経クリニックの場合」

1998年5月7日〜15日 中野ザ・ポケット


「ベツヤクさんとモンティ・パイソンさんの御紹介を兼ねたごあいさつ」
ケラリーノ・サンドロヴィッチ

 本日は御来場とっても有難うございます。
 さて、さっそくですが、まったくなぁんにも知らない無知なお客様の為にこっそり説明をしてあげますと、このお芝居には原作があります。
 ひとつはベツヤクミノルさん(どうでもいいことですけどザ・ポケットのエラい人である笠原さんというオバサンは、ベツエキさんだと思ってるらしいです)とゆー、ヘンなお芝居の台本をもう百本以上も書き続けてる不思議でとてもエラいオジサンが一九八〇年に発表した「受付」って題名の四十分位の二人芝居です。かたつむりの会とゆー劇団(?)が渋谷のジァンジァンで初演しました。(ちなみにベツヤクさんのお芝居をやらせてもらっちゃうのは二回目で、去年(九七年)の十月に「病気」とゆー、やっぱり漢字二文字のすっごく面白いお芝居をやらせてもらっちゃいました。一生の思い出です。)
 もうひとつは、六〇年代のおわりから七〇年代の前半にかけて、イギリスで、もう、なんかすっげぇ、日本でゆーとドリフ位すっげぇ人気を呼んだ、モンティ・パイソンとゆー、六人共すごくエライ六人組が脚本を書いて出演してた「モンティ・パイソンズ・フライング・サーカス」とゆーテレビのコント番組です。日本でも、一九七六年の四月から九月まで「快感ギャグ番組!空飛ぶモンティ・パイソン」とゆー今イチのタイトルで、東京12チャンネル(今のテレビ東京)で放映されましたが、日本では、ドリフどころかチャンバラトリオの人気にも及びませんでした。及びませんでしたけど、この人達がやったすんごいイロイロなことは、今でもたっくさんの人々にどエラい影響を与えているのです、例えばオレとかに。モンティ・パイソンをリメイクさせてもらっちゃうのも実は二本目で、昔やってた健康とゆー今イチの名前の劇団で六年前と九年前に「スマナイ。」とゆーお芝居で、たくさんこの人達のコントをやらせてもらいました。
 ですから、ベツヤクさんともモンティさんとも、今回は二度目のおつきあいとなります。こんなにエラい人達と二度もアレするのはもうホント泣けてきちゃうんですけど、いくらエラくても二回目ともなれば、初めての時よりもも少しこう、さらに遠慮なくやらせて頂いて、スリリングなセッションになればいいよなぁと思っております。なにしろ今回はお二方(?)と一度にお手合わせ願うわけですから笑っちゃいます。安易と言ってしまえばこのうえなく安易な企画です。好きなものと好きなものくっつけただけっちゃあだけです。だけど、オレがやらなきゃ他に誰がやる。
 みのすけと犬山は今回、やりがいのある役に挑戦して、稽古場でもとても生き生きとしています。大倉・村岡・小林もひと回り大きくなったようななっていないような。それから、オーディションで選ばれた八人も参加します。
 奇妙なお芝居が出来ることでしょうが、それがサイド・セッションのいいところです。